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フィールドワーク in 北海道博物館 ~地域の歴史と異文化を体験的に学ぶ~

北海道武蔵女子短期大学の斎藤専門ゼミナールでは、北海道博物館をフィールドに、地域の歴史や異文化理解を深める実践的な授業を行いました。

北海道博物館は、北海道の自然、歴史、文化、そしてアイヌ民族の暮らしや伝統を包括的に学べる施設であり、地域の多様な魅力を伝える場として国内外から多くの来館者が訪れる重要な文化拠点です。

このフィールドワークでは、まず担当学芸員による解説講義を受講し、博物館の展示構成や資料の背景について基礎的な知識を得た後、館内を巡りながら指定された12の問題の答えを探し出す課題に取り組みました。学生たちは、展示資料や収蔵資料に触れる中で、アイヌ民族の伝統的な生活様式や文化、北海道の自然と人々の歴史について学びました。たとえば、アイヌ民族の織物や木彫りの工芸品など、彼らの生活に密接に関わる展示物から、文化人類学の視点で異文化に触れることができました。

北海道博物館の展示は、「自然史」「歴史」「文化」「未来」の4つのテーマで構成されており、特に北海道の成り立ちやアイヌ文化の紹介に力を入れています。学生たちはこれらを通じて、過去から現在、そして未来への北海道の変遷を多角的に学びました。たとえば、古代の自然環境と人々の暮らしの変化を示す化石や道具の展示、近代化を象徴する産業資料、そしてアイヌ文化の貴重な工芸品や儀式に関する資料など、多岐にわたる展示物を深く観察しました。

「北海道博物館でフィールドワークを行い、2階の開拓の歴史展示をじっくりと観察しました。大正時代の道具に触れ、アニメやマンガとの時代背景の関連を楽しみながら学びました。特に、『鬼滅の刃』と『ゴールデンカムイ』の時代差を道具で比較し、北海道の発展の遅れを感じました。都市部と農村部の生活の違いも実感し、博物館は北海道の歴史や文化を学ぶには最適な場所だと再認識しました。この体験を通じて、歴史を学ぶ楽しさを改めて感じました。」

「これまで、アイヌ文化といえば、伝統的な模様や文様、そして文字を持たないというイメージを持っていました。しかし、今回のフィールドワークを通して、そのイメージは大きく変わりました。例えば、アイヌの人々が普段着として無地の服を着用していたことや、文字を持たないことが必ずしも不便ではなく、むしろ独自の文化を育む上でメリットがあることなど、新たな事実を知り、驚きました。北海道博物館の展示は、非常にわかりやすく、興味深く、アイヌ文化の多様性や深さを知ることができました。特に、展示されていた資料や解説文は、私にとって貴重な情報源となりました。今回のフィールドワークを通して、私は、固定観念にとらわれず、多角的な視点を持つことの大切さ、文化や歴史を学ぶことは自分自身を見つめ直すきっかけになること、そして博物館は様々な文化に触れることができる貴重な場所であることを学びました。今後は、今回の経験を活かして、他の文化についても学びを深めていきたいと考えています。また、博物館をもっと活用し、様々な展示を見て、知識を広げていきたいと思っています。」

この体験学習を通じて、学生たちは地域の歴史や文化への新たな視点を得るとともに、札幌市内の隠れた魅力を再発見することができました。博物館での学びを基に、地域文化を観光資源としてどう活用するかを考える機会となり、観光プラン立案のアイデアが生まれる場ともなりました。さらに、これらの学びは、学生自身の卒業研究テーマの発見にもつながり、今後の研究やキャリア形成にとって重要なステップとなりました。

斎藤准教授からのコメント

北海道博物館でのフィールドワークを通じて、学生たちは展示資料をただ鑑賞するだけでなく、学問的な視点から深く考察し、地域と異文化の結びつきを実感する貴重な機会を得ました。また、学芸員の専門的な解説や直接資料に触れる体験を通じて、地域文化への理解を深めるとともに、それを未来へどう繋げるかを考える素地が養われたと思います。この経験が、学生たち自身の学びの深化や地域社会への貢献に繋がることを期待しています。

北海道武蔵女子短期大学
准教授 齋藤 貴之

フィールドワーク in 北海道博物館 ~地域の歴史と異文化を体験的に学ぶ~
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